愛知春日市立 中部中学校中3受け継ぐ命大矢 塔子

 人間というのは、なんという身勝手な生き物だろうと思いました。毎年開かれる平和祈念式典で何人の人が虫や動物、植物に祈りを捧げているのだろうか。人間は生態系を崩すだけではなく、大量破壊兵器を用いて、ヒロシマの全てのものを失わせました。原爆の父オッペンハイマーや相対性理論として世界的注目を浴びたアインシュタインは原爆投下後の日本を見て、核爆弾の廃絶を訴え続けました。しかしもう核開発の進化を止めることはできません。

 また今、ウクライナではロシアによる侵略行為および市民に対する無差別な攻撃が続いています。このことからわかるように、ロシアの核の抑止力の前に、世界は何もすることができません。そんな現実を目の当たりにした今日この頃、平和への訴えだけでは平和を守ることはできないのではないかと思うことがあります。

 では私達には何ができるのか。私達にできることは、やはり平和を世界に訴え続けることと、生命の尊さを次世代へ伝えていくことだと思います。

 私はこの本を読み、なくなったものは人間だけではなく、虫や動物、植物までなくなったということに気付かされました。この気付かされた経験を活かし、私がこれから平和の祈りなどをする際には虫や動物、植物にも祈りを捧げ、「忘れていてごめんね」と心からの祈りを捧げたいと思います。

 「あの痛々しい産業奨励館だけがいつまでも恐るべき原爆を世に訴えてくれるだろう」 原爆ドームを残すきっかけとなった楮山ヒロ子さんの言葉通り、私はこれから、世界中の人々に平和を訴え続け、次世代へ生命の尊さとヒロシマとナガサキで起きた悲惨な出来事を伝えたいと思います。

広島AICJ中学校中1感想文山口 志穂