東京八王子市立 多賀保育園年長絵画安藤 晃典
三重四日市市立 常磐西小学校6平和学習森本 季依奈

「思い描く未来」

 広島を襲った原爆が、何万人もの命を奪ったのは、たった八十年前のことだ。
 私たちは毎年、慰霊の日に戦争について学ぶ。沢山の人々の命を奪った戦争。人々の命を奪った戦争について考えていると、心苦しい気持ちになる。
 しかし、「夾竹桃物語」を読んで、奪われた命が人間だけでないことに初めて気づかされた。植物たち、動物たちの命は、人間の戦争によって奪われたのだ。私たちは、ただ死んでいく「動植物の命」には目も向けず「人間の命の重さ」だけを考えていたのだ。
 物語にでてきた犬たちは、自分を犠牲にしてまでキョウチクトウを助けていた。自分も死んでしまうかもしれない状況で、「生きたい」という気持ちもあったはずだ。私だったら、自分の命を守ることに精一杯で何もすることができないと思う。だからこそ犬たちの必死な行動に深く、感銘を受けた。
 人間は、自分中心で物事を考えてしまい、物語の犬のようには、誰かの「助けて」に気づくことができない。だが、本来地球上の生命は全て等しく、共に生きている仲間なのだ。
「わすれていてごめんね・・・。」
少年は相手を知ろうとし、思いやりの心があったからこそ植物たちや動物たちの思いに気づけたのだろう。この物語の少年が、私たちが忘れていたことを教えてくれたのだ。
 平和とは地球の生きとし生けるものが自分の人生を全うし「思い描く未来」を作れる世の事だ。少年のように影で隠れている生命の思いに「耳を傾ける」ことのできる人間になりたいと私は強く思った。私たちは、「人間が奪った全ての命」を忘れてはいけない。
 互いを深く知り、視野を広くすることが今の私たちにできるもっとも重要なことなのだと思う。地球上の生命は全て等しく、戦争で起こった悲劇が「人間だけでない」ことを忘れてはいけない。「思い描く未来」のために。

沖縄豊見城市立 豊見城中学校中1感想文仲程 心奏