宮城仙台市立 蒲町中学校中2絵画黒澤 さくら
愛知春日井市立 柏原中学校中3青空を残そう豊島 優

 夾竹桃。それは、原子爆弾投下後の広島の焼け野原に最も早く咲いた希望の花だ。この物語は、そんな夾竹桃が、自身が被爆したときのことを語っている。私は、この物語を通して、「被爆したのは人間だけではない」ということと「忘れ去られることの悲しみ」を強く感じた。

 原子爆弾が投下されたことについて、これまで私は、多くの人が被害を受けたとしかとらえておらず、植物や動物たちに目を向けることができていなかった。物語の最後に、少年が夾竹桃に「忘れていてごめんね」と話しかけたとき、夾竹桃をはじめ動植物たちが喜び、「希望が生まれた」と語った場面では、忘れ去られる悲しみと、思い出すこと・記憶に残していくことが大切であるということを考えた。私は、もっと広い視野をもって戦争を学んでいきたい。

 私は普段、戦争についてあまり深く考えていない。今、ウクライナがロシアによって侵攻されているが、どこか他人事だった。しかし、この物語を読んで、多くの人・モノ・町・動物・植物などが戦争によって失われたということ、戦争はこれほどまでにおそろしいものだということを、日頃から頭のどこかに置いておきたいと思った。そして、あの日の記憶をこれからも残していかねばと考えた。

 あれから七十七年が過ぎようとしている今、被爆者の数は減っていき、きっと、みんなの記憶からも徐々に「戦争」というものが消えかけようとしていると思う。みんなの記憶から戦争というものが忘れ去られれば、もう一度同じことが繰り返されてしまう。私たちは、あの日の過ちを二度とくり返さないために、戦争について学び、あの日の記憶をこれからに残していくことが大切だと思う。

 そして、一人一人が、この物語の最後に登場した少年のように、戦争が引き起こしたことを思い返し、考え続けていくこと、向い合い続けていくことが、平和な世界の実現のために必要なことではないだろうか。

広島AICJ中学校中1感想文三田 拓美