愛知愛知教育大学附属名古屋中学校中3夾竹桃満開王 欣 洁
宮城仙台市立 吉成中学校中3絵画横溝 惺哉

悲しみを語りつげる人になりたい。

「気がついていない人間、それは、私のことでした。こめんなさい。」

読み終わった私は、心の中でこう叫びました。

 私は、この本を読んで、どれほど戦争が悲惨なものだったのかを思い知らされました。

 また、多くの命が失われたことは知っているつもりでしたが、知っていたのは、その内の一部だったということも分かりました。

 戦争で失われたのは人間の命だけでなく、犬や夾竹桃などの動植物の命も失われました。失われたと言うより奪われたのだと思います。

 犬や夾竹桃が、「死ぬわけにはいかない。」「生きたい。」と願い、力をふり絞って戦火の中で頑張り抜いた姿を見て、植物も動物も人間も命は同じように貴く、命の大きさに大小はないことに、私は改めて気付きました。それだけではく、同じ生き物として、夾竹桃を助けようとする犬達の姿に心を打たれ、命のある全ての動植物が生きたいと願っていることを決して忘れてはならないと思いました。言葉が話せ、行動を起こせる人間が、言葉を発することのできない動植物のことを忘れずに語りついでいく責任があると思います。

 戦争は悲しみや苦しみしか、生み出せないものです。二度と起こしてはならないものです。でも、後の人間、つまり私達が戦争の悲しみや苦しみをちゃんと知り、それを忘れなければ、平和という希望が生まれるはずです。私は、夾竹桃や犬の悲しみを心の中にとどめておき、それを語りつぐ人でありたいです。

 私の家には、大きな白木蓮の木があります。枝のせん定をする両親と、手伝う私。毎年繰り返されるこの風景は、本当はとても平和で幸せなのだと分かりました。枝を切る時の「ピシッ。」「パキッ。」という音は、力強い命の音なのでしょう。きっと今頃、広島の街で、夾竹桃は新芽を伸ばし、人々に命の尊さや、平和の喜びを伝えていると思います。

岐阜美濃市立 藍見小学校6感想文服部 ゆり奈