バンコク泰日協会学校中2絵画名武 なるみ
沖縄南風原町立 南星中学校中1慰霊碑沓澤 幸之介

「つなぐ」

 降るような蝉の鳴き声と、じりじりと照りつける日差しの蒸し返るような暑さの中、今年も広島や長崎では平和祈念式典が行われる。原爆犠牲者の冥福を祈り、核兵器廃絶と恒久平和の実現を世界に訴えるため、全国からたくさんの人々が集まってくる。

 一年生からの四年間長崎に住んでいた私も、毎年原爆投下日の8月9日は、学校で行われる平和祈念式に参加した。黙祷を捧げ、戦争で亡くなられた方へ思いをはせながら、戦争という過ちを再び繰り返さない事、平和な世界を実現できるようにする事を強く願った。

 だから、長崎から引っ越した後も、私の中の平和への思いを形にしようと、毎年平和祈念式の前に、千羽鶴を送っていた。家族や友達に協力してもらいながら、一羽一羽願いを込めて折った。それが今、自分のできる事だと思ったからだ。しかし、私のやっている事に意味があるのか、自己満足ではないのかと不安になる事もあったが、この本が私に「自信」をくれた。私は「夾竹桃物語」を読んで、たくさんの犬たちから夾竹桃へ、夾竹桃から一人の少年へと「希望」というバトンが受けつがれていると思った。夾竹桃を守るために、自分の身を犠牲にした犬たち。その犬たちの事を忘れないために、毎年語り続けた夾竹桃。それがやっと一人の少年に届いた時、また新たな一つの「希望」が生まれた。この生まれたばかりの「希望」は、少年によって成長し育まれて行くことだろう。

だから私も夾竹桃のように、自分が学んだ事や感じた事、思った事を伝えていこうと思う。どんな小さな事でも私ができる事を見つけ、行動していこうと思う。

 今年で終戦74年目をむかえる。実際に原爆を経験し語ってきた方々も年々少なくなっている。だからこそ、私達のような若い人が声を上げるべきではないのか。私も平和のために叫び、「希望のバトン」をつなげたい。

愛知学校法人 南山学園 南山中学校 女子部中1感想文水野 安珠